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もののあはれは彩の頃。 普及版

青年・東雲暁は、目覚めると紅葉の舞う河原に立っていた。なぜここにいるのか、どう進むべきなのか、なにも覚えていないままで。ただわかるのは、目の前にサイコロが浮いているという状況だけ。「さあ、賽を振りなよ」まず、そうしないことには始まらない──謎の女・クナドにそう促され、彼は与えられた賽を振る。「──ここは」すると、彼が目にしていた景色はガラリと変わった。風流な自然もどこへやら、彼が立っていたのは京の歓楽街・秋の祇園──「四条通……」思わず口をついてしまうほど、どこか郷愁を覚えるその景観。ただし普段は賑わい豊かなこの繁華街も、今は嘘のように静まり返っている。「五マス目──残念ながら、一回休み」天より響くクナドの声。彼は、ようやくこの世界の理を知る。「双六だ」賽を振ると、マス目を進むことができる。賽を振ると、あがりを目指すことができる。そして、同様に覇を競う相手もいるということに。「あんたは敵だ。あまり馴れ馴れしくするな」制服に身を包んだ少女、野々宮京楓は冷酷に暁を敵とみなした。彼女だけではない。双六ならば、勝者となるのは一人だけ。「勝ってみせる。俺よりラッキーな奴はいない」己こそが天に祝福されし運命の持ち主であると、信じて疑わないのが彼の誇り。青年は持ち前の幸運を武器に、あがりを目指して賽を振る。 ▼もっとみる
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ドコのドナタの感情経路 普及版

お伽話に出てくる、‘あの’かぐや姫を母に持つ少年・上月翔太。そんな彼の前にこの春、かつてかぐや姫に振られた男の生まれ変わりだと言う新入生の少女・大伴翼が現れる。かぐや姫の面影を持つ翔太に一目ぼれをした翼は積年の思いから、出会って早々、翔太に愛の告白をするのだが、それを阻むのは同じくかぐや姫に振られた男たちの感情を引き継ぐ少女たちだった。千年越しの怨念にも似た、純情な少女たちの恋心を果たして翔太は受け止められるのか!? ▼もっとみる